今日読んだ、新刊本の紹介をします。

◆題名は、「もうひとつの核なき世界」ー真のChangeは日本が起こす(小学館)。著者は、ベストセラー「貧困大国アメリカ」の堤未果さんです。

ヒロシマナガサキ、原発問題を含む「核」について広く、かつ深く、丁寧な取材と考察がなされています。

多様な意見を解り易くまとめ、核問題の複雑さと保有国(また劣化ウラン弾使用戦争)のまやかしレトリックに着眼した、実に時宜にかなった良書です。ぜひ、ご一読を!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆山崎がかつて取材、執筆した1999年発生の東海村JCO臨界事故について、紹介します:

東日本大震災がきっかけで、長年警告されてきた地震と津波で原発震災を起こした福島第一原発(マーク1型原子炉)ですが、本日3月28日現在1号機から4号機全てが水蒸気と放射線を漏えいし続け、事態は悪化の一途を辿っています。

当初レベル4の事故と発表されたものの、現在はレベル6の臨界事故。限りなくチェルノブイリ原発事故(レベル7)に近づく様相を呈しています。

◆そんな危機感の中、昨年出版された広瀬隆さんの著書、「原子炉時限爆弾(ダイヤモンド社、2010.08.27発売)」が売れに売れています。

◆1999年11月に起きた東海村JCO臨界事故を私がニューヨークOCSニュースで報じたときも、私はその特集で広瀬隆さんと同様の指摘をしました。すなわち、老朽化する浜岡原発はじめ、日本の原発は敦賀や若狭など「地震銀座」帯の真上に建設され、時限爆弾で日本を壊滅状態に追い込む「悪魔の産業」だと糾弾。

使用済み核燃料貯蔵に伴う残留放射能の恐怖も見逃せない。また原発震災発生後の放射能汚染・環境(土壌・海水など)汚染は地球全体、国際社会に迷惑をかける上に国内の農業・水産業など環境へのリスクと風評被害、観光業へ与えるダメージは甚大で致命的。取り返しがつかない損失に続く、景気後退を招き、国家存亡の危機を生みだす。

国家を亡ぼす国策エネルギー政策ゆえに「原子力産業は地震大国・日本では決してペイしない」ため、即刻、バイオマスなどエコで自然な代替エネルギーへ政策転換すべきだと、強く訴えました。

第一、建設から廃炉までかかる膨大な費用と国からの補助金は納税者と消費者の負担として子子孫孫までのしかかってくるカラクリだ。おまけに廃炉や使用済み核燃料処理と永久保存にかかる費用は、天文学的な数字で正確なコストなんて見積もることは到底不可能である」と。

その記事は結論として「ペイしない危険な原発は、日本にいらない。現段階の科学と人間の技術では、原子力の属性は制御できない未知の領域。ひとたび臨界起こしたら、容易に止められない臨界とメルトダウンに電力会社はお手上げだ。そして被ばくの犠牲となるのは、いつも罪なき地元住民や農家・漁師であり、放射能被ばく覚悟で働く下請け労働者たちであり、無辜の子供たちと自然環境である。即刻、原子力政策から撤退し、自然エネルギーへの転換をはかるべき」と、強い論調で国と原子力産業へ警告したのです。

◆その結果、環境ジャーナリストとしての私はどうなったでしょうか?

過去に、多くの脱原発運動家や反核ライター、反原発学者が経験してきたように、私もまた、この記事によって原子力産業と行政から、圧力を受けたのです。

これこそ原発が40年間、国策産業であったことの、紛れもない証左なのです。

これを最後に、私は職業ジャーナリズムを離れ、翌年ニューヨークでオペラ歌手としてプロ・デビューをかなえ、転職を果たしました。

とはいえ、言論活動そのものから離れたわけでは、決してありません。原発事故を報じ批判することそれ自体が、どれほどリスキーで危ないことなのかを、身をもって知る機会となったのです。

堤未果さん著の「もうひとつの核なき世界」、今こそお勧めの教養本です。ー今回の原発震災により、世界中を震撼させている「核とは?」何かを、堤さんと一緒に考え、検証しましょう!

山崎 淑子

関連記事

Tags: , , , , , , ,

コメントを残す

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)