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《THE JOURNAL》編集部 日時: 2011年7月19日 03:42

鈴木宣弘:「想定外」では逃げられない原発とTPP報道

http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/07/tpp_17.html

より

【引用開始】

─現地に有用な情報が少ないという声があります

放射能の件で言うと、結局、炉心溶融や飯舘村への放射性物質の飛散など、海外から指摘があったのに政府は認めませんでした。ついに、静岡のお茶や岩手の牧草からも高い放射性物質が検出され出しました。

外国の反応は過剰と言って笑っていたのが、実は笑われていたのは自分たちで、情報が無くて「冷静」だった。知らなかったのは日本人だけという話です。パニックを避けたいのはわかりますが、情報が遅れたせいで相当な数の人間が被曝しています。

─311からはネットメディアが独自に取材し、報道していました。炉心溶融(メルトダウン)の危険性やプルトニウムなど放射性物質の飛散を報じたメディアに対し「不安をあおるな」という指摘がありました

日本社会は、情報は出すものでなく隠すもの、操作するもの、という認識が当たり前のようです。しかし、人々の命に直結する情報を隠すことはゆゆしき事態です。隠すことで被曝した方々に将来どのような影響が出るかが心配されます。そもそも、国、企業、学者、報道機関はいままで原発を安全だと言い続け、反対する人を次々とつぶしていき、その結果がこのありさまです。関わった人の責任は、刑事責任をふくめて厳しく問われるべきです。「想定外」で逃げることはできません。想定できたことに準備しなかった責任をうやむやにしてはいけません。

TPPの議論にも同じことがいえます。あきらかに情報操作されています。政府や報道機関は日本社会全体を根底から揺るがしかねない重大な他の情報は出さず農業だけの問題にすりかえ、「農業をなんとかすればTPPに参加できる」と議論をわい小化しようといます。情報操作して、国が間違った方向に行ったとき、誰が責任を取りますか。

─日本はTPPに参加するメリットや問題点などについて、どこまでシミュレーションしてきたのでしょうか

私はいままで自由貿易の交渉に参加してきた経験から、交渉の障害になるものが何であるかわかっています。製造業でいえば繊維、皮、履物などは歴史的に日本は絶対にゼロ関税にできません。またサービス分野、たとえば外国人看護師やマッサージ師の受け入れについても、これまで、かたくなに排除してきております。TPPにおいても「今まで以上のことを考えたことがないし、上からも検討の指示がない」というのが、所管官庁の課長クラスの認識のようです。

実働部隊である各省課長に指示をしていないというのが本当であれば、開国やら、自由化やら盛り上げようとしているが、具体的に何が起こるのかについては、実際はシミュレーションもしていないということになります。いままでとまったく違う次元の協定を議論しようとしているのに、日本が主体的な方針を持っていないというなら、情報操作以前の問題で、いい加減な話です。

【引用終了】

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