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2014/5/11 生還7周年を記念して、

『サンデープロジェクト報道(30分)検証番組』動画+文字起こし

を再掲載します。

【911被災者の冤罪•日米引渡し事件】検証報道2009/4/26放送。

ぜひ、ご検証ください!

山崎淑子拝。

山崎淑子 支援の会。

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 911被災者の冤罪(引き渡し事件)被害」 検証報道

 2009/4/26 放送:

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01.

「911被災者の冤罪被害」1 3検証報道 from 911enzai on Vimeo.

02.

「911被災者の冤罪被害」2 3検証報道 from 911enzai on Vimeo.

03.

「911被災者の冤罪被害」3 3検証報道 from 911enzai on Vimeo.

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テレビ朝日サンプロ冤罪報道 2009426日放送

日本語 文字起こし

■サンデー・プロジェクト:特集シリーズ「言論は大丈夫か?」■

17弾「誰のための司法か?」

            出演:大谷昭宏、ジャーナリスト

               山崎淑子、ジャーナリスト・911冤罪被害者

http://enzai.9-11.jp/?p=15939

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【番組紹介】

テレビ朝日サンデープロジェクト 4月26日放送

911NYテロ後に、アメリカ政府へ引き渡された日本女性の悲劇

■特集シリーズ「言論は大丈夫か」:17弾「誰のための司法か?」

「日米条約」「日本の司法」

「日本の司法は、いったい誰のために存在しているのか」を問う。

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【番組内容の概要】

4年前、都内に住む一人の日本人女性が突然、自宅で検察官に拘束され、東京拘置所に収監された。911に絡む犯罪容疑者として、アメリカ政府が日本政府に彼女の身柄を引き渡すよう、請求してきたからだ。

身に覚えのない容疑に、彼女は拘置所から無実を訴えたが、アメリカ政府に引き渡された。そしてアメリカでは、さらなる悪夢が彼女を待ち受けていた。

我々はアメリカで関係者の取材を試みた。すると、無実を訴える彼女の主張を裏付ける事実が次々と明らかとなった。

日本の法務省、検察庁、そして東京高裁は、アメリカ政府の言い分を検証しようともせず、彼女を「逃亡犯罪人」として引き渡した疑いが浮上したのだ・・・。

自国民の生命、自由を守るのが存在意義であるはずの政府。日本の司法は、いったい誰のため、何のために存在しているのか。徹底検証する。

≪出演≫ 大谷 昭宏(ジャーナリスト)

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調査報道テーマ:

「日本の司法は、いったい誰のために存在しているのか?」を問う

【放送開始】

◆プロローグ(introduction イントロダクション)

○ナレーション(以降“N”と表記):「この国の司法は、国民の権利を守ってくれるのか?」

○山崎淑子(以降、“Sarah”と表記):「悔しい。今でも悔しいです」

○N:「日本人女性を、ある日突然襲った悪夢。アメリカによって、本人の知らぬ間に、身に覚えのない容疑で起訴されていたのだ」

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○Sarah:「無実だと証明するための証人も、たくさん日本にもアメリカにもいましたし」

○N:「待っていた衝撃の結末。日本の司法は、逃亡犯罪人として、彼女の引き渡しを決定」

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○海渡弁護士:「アメリカから寄せられている証拠で、もう引き渡すというふうに、決めてしまったわけですよね。それで充分だと」

○N:「そして更なる悪夢が、アメリカで彼女を待ち受けていた」

 

○Johanna Zapp-New York attorney ジョハンナ•ザップ弁護士:

Now I think It’s a good way to put it as hard to get around the ‘conspiracy’ charge.(1人が罪を認めたので)「彼女が‘共謀罪’から逃れるのは、ほとんど無理だと(考えるべきでしょう)」

○Sarah:「共謀罪の怖さというものを、とことん教えられましてね。ああ、もう、あなた無理って」

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○N:「自国民の生命と自由を守るはずの政府。日本の司法は、いったい誰のために存在しているのか?徹底追求する」

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◆本編

Main title: Series – reviewing crisis of “Freedom of Express”.

For whom- the legal system exists?

Malfunction of the system between “Japan-US Treaty” and “Japanese legal practice”

 

○寺崎貴司アナウンサー(以降、“寺崎アナ”と表記):「特集は、シリーズ『言論は大丈夫か』今日は第17弾です」

○小川彩桂アナウンサー(以降。“小川アナ”と表記):

「大谷さん、改めてポイントをお願いします」

○大谷昭宏(以降、“大谷”と表記):「はい。司法は誰のために存在するのかを問いたいと思うんですけれども。日本人女性が、日本政府と東京高裁の判断でアメリカに引き渡されて、向こうの刑務所に入れられたという、冤罪疑惑事件なんですね。

これを通して、私たちは日本の司法が、本当に国民の権利を守るために機能しているのかどうかということを、裁判員制度も近づいておりますし、今日、改めて問いたいと思います」

○寺崎アナ:「はい。まずは、こちらからご覧いただきます」

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【録画の放送と字幕スーパー】

「私は無罪」 

米国に送られた女性の悲劇

 

○N:「悪夢の始まりは、突然だった」

○Sarah:「ドンドンドンと来まして。数人のいかつい男の方たちが、部屋の中にドヤドヤと入って来ましてね、『検察庁へ行きます』ということで」

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【録画の放送と字幕スーパー】

谷川サラさん(仮名)

2005年7月 検察に拘束される。

○N:「4年前(2005年)、都内の自宅にいた谷川サラさん(仮名)は、突然、検察に踏み込まれた。告げられた容疑は、まったく身に覚えのないものだった」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

「(米国)連邦政府に対する犯罪の共謀罪」

「虚偽陳述罪」

○Sarah:「思い当たらないぶんだけ、苦悩と怒りというのは、もう凄まじいものでしたのでね」

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○N:「そして、アメリカが身柄の引き渡しを求めていることを知らされた。まったく知らぬ間に、アメリカで起訴されていたのだ。サラさんに降りかかったのは、アメリカ同時多発テロの被災者を装って、政府機関からローンを騙し取ろうと、日本人弁護士A氏と共謀したという容疑だった。」

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○N:「そして、東京拘置所に入れられたサラさんは無罪を主張。この時までは、容疑は必ず晴れると信じていた」

○Sarah:「無実だと証明するための、証人も、たくさん日本にもアメリカにもいましたし」

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○N:「しかし、彼女の言い分は、聞き入れられることはなかった。自宅に立ち寄ることも許されず、アメリカに引き渡されたのだ。なぜ、こんなことが起きたのか?」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

スーパーモーニング 1995年2月27日放送

(番組タイトル)『倒壊、谷崎邸で犬救出作戦』

○Sarah:「シロ!シロ!シロ!シローッ!」

○N:「1995年、阪神大震災で倒壊した家屋から子犬を助け出すサラさんの映像が残っていた」

○Sarah:「この子(犬)、本当にたまたまラッキーでしたけれど、ほかの犬もね、早く見つかって、落ち着くといいと思います」

○N:「サラさんは、高校時代の交換留学を皮切りに、日米間を往復するようになった。震災の後、本格的にアメリカに拠点を移し(訂正1:戻し)

(訂正2:1985年にニューヨークで就職。87年に永住権を取得し移住。2002年までアメリカ在住)、高級百貨店(勤務)などを経て、2001年、コンサルタント会社を立ち上げた」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

2001

米国でコンサルタント会社を設立

→9月6日、マンハッタンに事務所(開設)

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○N:「2001年9月6日、ニューヨーク・マンハッタンのビルの1室に事務所

を構え、会社の開設準備を始めたサラさんを、同時多発テロが襲う。

 

【録画の放送と字幕スーパー】

2001年9月11日

同時多発テロ事件(発生)

 

○N:「事務所には立ち入れず、運び込んだ荷物にも触れない」

【録画の放送と字幕スーパー】

サラさんの事業

日本企業の米進出を支援

(立ち上げた事業が)↑テロで打撃を受けた

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○N:「日本企業のアメリカ進出を手助けする。立ち上げたばかりの事業も打撃を受けた。アメリカの中小企業庁が、テロの被災者向けに低金利ローンを始めたことを知ったサラさんは、これで当座をしのぐことにした。事業存続の危機を乗り切ろうと、動き回るかたわら、テロによる日本人行方不明者を探す家族の通訳を無料で務めるなど、ボランティア活動にも力を入れた。それは、当時抱いた、強い危機感があったからだ」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

(当時、抱いた)“強い危機感”

メディアが「新しいパールハーバー」と

愛国心を非常にあおったので、

日本人が憎しみの対象になると、大変だと思った

○Sarah:「一斉に、(米国の)テレビとラジオと新聞が、『新しいパールハーバーだ』、『国を守らなければ』っていう愛国心を非常にあおったので、日本人もまた、何か憎しみの対象になったら、現地で住んでいる人間(にとって)は、これはちょっと大変なことになるという思いがありましたので、『我々、日本人の中にも、犠牲者がおられるんです』っていう意味で、私はボランティアの第一線に立っていましたし…」

○N:「しかし、テロに襲われたアメリカでは、外国人への敵意が日増しに高まっていた。サラさんは、テレビの取材にも積極的に応え、敵意を鎮めようとした」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

NY1 News

2001918日 放送

 

SarahTVコメント)

ジュリアーニ市長は、「テロに遭い

米国の民主主義が試されている」と。

「確かにそうですが、世界の民主主義もまた試されています」

○Sarah:「Mayor Giuliani (Rudolph “Rudy” Giuliani III, Fmr. NY City mayor 1994-Dec. 31, 2001) made a comment, (that) America has been attacked, or American democracy has been tested. And this is true but also untrue, (it is) the WORLD Democracy (of which) has been challenged.

サラ:「ジュリアーニ(当時のニューヨーク市長)は、『アメリカはテロの攻撃に遭い、米国の民主主義が試されている』とコメントしましたが、これは真実でもあり、同時に真実ではありません。なぜなら、“世界の民主主義”こそが、挑戦を受けているからです」

【録画の放送と字幕スーパー】

20011026日(テロ45日後)

(地元ニューヨーク現地の)テレビ局、放送録画より

 

「愛国者法」成立

令状なしの家宅捜索や盗聴を許可

 

○  N:「しかし、テロ45日後に“(米国)愛国者法”が成立。令状なしに家宅捜索や盗聴ができるようになるなど、ヒステリックなまでの愛国心がアメリカ全土を覆っていった。『ニューヨーク全体が冷静さを失っている…』、そう痛感したサラさんは、アメリカで事業を続けることを断念し、日本に帰国。そして、東京で輸入バッグなどを扱う通信販売を始めた(訂正:オリジナル・ブランドを設立、インターネット通販会社を起業した)。同時テロから1年後のことだった。しかし、サラさんが去ったニューヨークでは、彼女をめぐり思わぬ事態が動き出していたのだ」

【録画の放送と字幕スーパー】

サラさん:

全体が冷静さを失っている

→米国での事業を断念し帰国

 

Seven Seas, 20049月号

(会員制月刊誌の掲載ページを画面に表示)

 

 

○  Sarah:「まさに青天の霹靂(へきれき)でした」

【録画の放送と字幕スーパー】

連邦検察(20048月)

谷川サラさん(仮名)を起訴

 

起訴状:

Conspire, …to commit offenses against the United States,

「米政府に対する不法行為を共謀した」

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サラさんの主張:

「テロで事業に打撃」

→中小企業庁の低金利ローン申請

 

連邦検察の主張:

「ローン申請は詐欺の共謀罪」

→サラさんを起訴

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ニューヨーク州南部地区 連邦検察の主張:

マンハッタンに事務所を借りていたように装い

A氏と共謀して被災者向け低金利ローンを借りようとした

→虚偽陳述罪

○  N:「2004年8月、アメリカの連邦検察は、すでに日本に帰国していた谷川サラさん(仮名)を起訴。『アメリカ政府に対する不法行為を共謀した』―同時多発テロで、立ち上げたばかりの事業が打撃を受けたため、当座の運転資金をしのごうと、サラさんはアメリカ中小企業庁の低金利ローンを申請。それが、詐欺の共謀罪などに当たると言うのが、アメリカ連邦検察がサラさんと(弁護士)A氏を起訴した理由だった」

 

○  N:「連邦検察が描く、事件の構図はこうだ。『テロ当時、サラ容疑者はマンハッタンに事務所を借りていたかのように装い、被災者でもないのにA氏と共謀して、被災者向け低金利ローンを借りようとした。これは虚偽陳述罪に当たる』。そして、連邦検察が『実際には事務所を借りていなかった証拠』としたのが、サラさんを不動産会社に仲介した女性の証言だった」

 

○  不動産仲介業者のエレン(以降、“仲介業者エレン”と表記):「管理代表者がサインしていないので、賃貸契約は(2011年9月11日テロ発生時点では)完了していません」

 

○N:「連邦検察は、『ローンを申請する際、テロで事業に損害を受けたと申告したことも嘘』だとした。そして、詐欺の共謀犯として、サラさんの身柄を引き渡すよう日本政府に求めてきたのだ。サラさんには、寝耳に水だった」

【録画の放送と字幕スーパー】

連邦検察の主張:

「事業に損害を受けた」は虚偽

→日本にサラさんの引き渡しを請求

・敷金 礼金を払った

・部屋の鍵を渡されていた

・荷物も搬入していた

 

サラさんの主張:

契約予定日は911日で

9月)6日からは事務所に出入り

○Sarah:「(テロ当日の9月11日が契約サイン日だったため、テロ発生で現場に隣接する当該ビル一帯が閉鎖され、ビル1階にある管理事務所に契約当事者が集合できなくなったため)契約はできなかったけれども、敷金・礼金は支払っていましたし、部屋の鍵も(9月11日以前に)渡されていましたし、荷物も搬入していましたので…」

○N:「確かに、契約書は交わしていなかったが、それはテロが起きた9月11日に契約する予定だったからだ。9月6日からは、実際に受け取った鍵で、事務所に出入りしていたという」

【録画の放送と字幕スーパー】

ニューヨーク

○N:「我々は、アメリカで真相を取材することにした」

○江南亮・取材ディレクター(以降、“江南記者”と表記):「奥に見えるのがワールド・トレードセンター跡地です。そこから、わずか南に離れたこの場所に、問題となったマンションがあります」

○N:「まず、サラさんが事務所を借りていたとする、ビルの関係者を訪ねた。マニー・コーボ氏は、当時、ビルの蛍光灯の付け替えなど入居者の世話をしていた人物(注釈:英語で“handy man ハンディー・マン”と称される)で、サラさんのことを覚えていた」

○マニー・コーボ氏・ビル管理事務所の当時のハンディー・マン(以降、“コーボ氏”と表記):“I remember her moving in, I mean her in the apartment. It had to be before September Eleven. I think , maybe the whole apartment, pretty much the living room. Let’s say it was, I don’t think it was just one wall, it was the whole living rooms that was painted in yellow.”

「サラさんが9.11(事件)以前に、入居したことを覚えています。事務所のリビングルームは、壁の1面のみではなく、全体が黄色に塗られていました」

(注釈:「9月11日以前に入居していたサラさんの部屋は、もともと白色だった壁が、(9.11以前に)既に“黄色”に塗り替えられていた」という当時の目撃証言)

○N:「9.11以前、サラさんが事務所に出入りしたのを、実際に見たという」

○N:「次に、サラさんの事務所があったというビルを訪ねると、そこには、1人の女性がいた。アン・クラーク氏は、テロ当時からの管理人だという」

○質問する通訳(江南記者の通訳を以降、“質問する通訳者”と表記):

“Did you remember she was, used to live here at rm#10M, before September Eleven? ”

「サラさんが9.11以前から、(このビルの)部屋番号10Mに住んでいたことを、覚えていますか?」

○アン・クラーク・テロ当時からのビル管理人(以降、“管理人アン・クラーク氏”と表記):“Yes. Yes I do. Yes, she was living here…”

「はい、はい、覚えています。ええ、サラさんは9.11以前から、このビルに入居していたのを覚えています」

○質問する通訳者:“Do you remember her, she was bringing some of her belongings here into the apartment?”

「サラさんが9.11以前に、所有物など荷物をここの彼女の部屋の中に搬入していたのを、実際に見ましたか?」

○管理人アン・クラーク氏:“Yes, I remember her bringing her , you know, suitcases and she had two dogs, two little white dogs, I see her in a morning walking her dogs…”

「ええ、もちろん覚えています。スーツケースを運び込み、2匹の犬を連れて…2匹の白っぽい犬たちを朝、散歩しているのを目撃しています」

○N:「彼女も、テロ以前にサラさんと会ったと証言した。いずれも、サラさんに不動産会社を紹介したとされる女性が、連邦検察に証言した内容とは違っていた」

【録画の放送と字幕スーパー】

①ビル管理人クラーク氏の目撃証言:9.11以前に「入居していた」

②ビル管理会社勤務のコーボ氏の目撃証言:「入居していた」

③仲介業者エレンの電話証言:「入居していない」

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○仲介業者エレン:「サラは、2001年12月15日付で入居資格を得た。9月11日以前には入居していない」

○N:「仲介者の女性は、嘘の証言をしたのか?接触を試みた」

○仲介業者エレン:(電話による質問への返答)“Let’s say that she was living in the building. But it was not before September Eleven.  That’s what I say, that’s exactly what happened.”

『彼女はその建物に住んでいたけど、9月11日の前ではない。それが事実だって私は言ったのよ』

○N:「証言は、真っ向から食い違った」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

連邦検察(の主張):

(サラさんが)テロ被災者と偽り

低金利ローンを借りようとした

→虚偽陳述罪

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NHKニュース おはよう日本 2001928日放送(録画)■

マリオン・マックイーン氏

サラさんがローン申請した時

窓口で応対した担当者

(当時のテロ被災者相談窓口の担当官による証言動画)

 

サラさんには、「ローンを申請する資格があり、率直で信用できる人物に見えました」

 

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取材結果

9.11テロ以前から事務所へ出入り

・実際に、事業に被害を受けたテロ被災者

 

○N:「では、『テロ被災者と偽り、低金利ローンを借りようとしたのは、虚偽陳述罪だ』とする連邦検察の、もう1つの主張はどうか?我々は、1本のビデオテープを入手した。そこには、9.11(事件)の2週間後、事業の再開を模索するサラさんが映っていた。放送されたのは、テロ17日後の9月28日。ニュースのミニ特集で、2分半に渡り取り上げられていた。事件後16日目に、(9.11以前に開設した自社の)事務所を訪ねるが、粉塵の除去が終わっていないため、入室できず引き返してきた様子や、被災者支援窓口で中小企業庁の年利4%の低金利ローンを受けられると教えられ、手続きを始めたことが紹介されている」

 

○Sarah:「これがあれば、立ち直れそうですね」

○N:「虚偽陳述罪に問われた、ローン申請の場面も映っていた」

 

○江南記者の通訳者:“Is that you, right?”

「(この録画に)映っているのは、あなたですか?」

○Marion McQueen – SBA Loan Officer マリオン・マックイーン氏、サラさんがローン申請した時、実際に、窓口で応対した担当者(以降、“マックイーン担当官”と表記):“That is I(笑)”

 

○N:「実際、この時、相談に乗り、(当時、放送されたNHKニュース)番組にも登場したマリオン・マックイーンさんは、会話の内容を覚えていた」

 

○マックイーン担当官:“With information that she provided, and her …, she seemed direct to want to get a help, and I wanted to give it to her. I only remember that she seems very straight forward and credible”.

「サラさんの話した内容や持参した資料、情報、話しぶりから、(サラさんは)支援を必要とし、ローンを申請する資格があり、私はローンを通してあげたいと思いました。彼女が、率直で信用できる人物に見えたことを、よく覚えています」

○N:「彼女は、『サラさんには、ローンへの応募資格があると思った』という」

 

○N:「取材してわかったのは、サラさんはビルの1室に構えた事務所に、テロ以前から出入りし、実際に、立ち上げたばかりの事業に被害を受けた、テロ被災者だったということだった。では、連邦検察が主張した、日本人弁護士A氏との共謀罪は、どうか?」

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○N:「実は、ここに、アメリカが日本政府に隠し、告げなかった事実があった」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

 

連邦検察の主張:

「サラさんと弁護士A氏(日本人)との共謀罪」

 

日本政府に隠した事実:

■米連邦検察が、日本政府に隠した事実があった!■

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【録画の放送と字幕スーパー】

ローン申請してお金もらった?

もらってません

ローンの担当者から電話で

100万ドルの申請ですよ」と

弁護士(A氏)にそう指示していない

そんな金額はいらない

○大谷:「これ実際に、申請して、お金もらっているのですか?」

○Sarah:「いえいえ、もらっていません」

○N:「みずからローン申請を、取り下げていたのだ」

○Sarah:「ローンの担当者から電話があって、『あなた知ってます?100万ドルの申請ですよ』って言われた時に、本当にびっくりしまして、私は弁護士にそう指示してませんし、そんな金額いりませんし、しかもこれ、3~4%のローンですから、利息だけでも大変ですのでね」

○N:「サラさんは、申請手続きを弁護士のA氏に依頼。するとA氏は、相談せず、100万ドルという巨額のローンを申請したという。中小企業庁ローン担当者からの電話で金額を知ったサラさんは驚き、みずから申請を取り下げた。この時の通話内容は、中小企業庁に書面で残っていて、そこには『サラさんが取り下げた(訂正:正しくは“Withdrawn by her みずから辞退した”の意)」』と書かれていた。しかし、アメリカ連邦検察はこの事実を伏せ、日米犯罪人引き渡し条約に基づき、サラさんの身柄を引き渡すよう、日本政府に求めたのだ」

【録画の放送と字幕スーパー】

「弁護士A氏に申請手続きを一任」

→(弁護士A氏は)相談なしに100万ドルを申請

→(ローン担当者からの電話で金額を聴かされた)サラさんが申請を取り下げ

 

中小企業庁の電話記録 CORRESPONDENCE LOG

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サラさんが取り下げた

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連邦検察:

「日米犯罪人引渡条約」で

サラさんを引き渡すよう請求

「逃亡犯罪人引渡法」:

外国政府の請求を法務大臣が

適当と認めた後、高裁が決定

 

○N:「日本の逃亡犯罪人引渡法は、外国政府の引き渡し請求を法務大臣が適当と認めた場合、東京高裁が判断し、決定すると定めている。サラさんは、無実を証明しようと、拘置所から声を上げようとしたが…」

○Sarah:「入ったとたんに、犯罪者の扱いですから、緊急の電報を打ちたい先はいろいろあるのですが、手帳を部屋に入れることを許されませんでしたし…」

○N:「拘束から41日後(2005年9月7日)、東京高裁で、サラさんの主張を審理する審問が、1度だけ開かれた。そして2005年9月26日(拘束60日後)、社会と隔絶された拘置所の中のサラさんに、高裁の決定が下った」

○東京高裁の決定:『本件は、逃亡犯罪人を引き渡すことができる場合に、該当する』

 

【録画の放送と字幕スーパー】

田中康郎裁判長

(サラさんが)「居住した事実はない」

→逃亡犯罪人として引き渡せる

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○N:「(東京高裁の)田中裁判長は、アメリカ(連邦検察)の主張通り、ワールド・トレード・センター近くのビルに、『居住した事実はない』などと認定し、引き渡せると判断したのだ」

○N:「サラさんは高裁の決定を見直してもらおうと、南野(のうの)法務大臣に訴えた。実は、サラさんは子宮筋腫を患っていて、身柄を引き渡さないよう、請願書も出した。しかし、サラさんの願いは、聞き入れられることはなかった」

○N:「そして、送られたアメリカでは、さらなる悪夢が待ち受けていたのだ」

【録画の放送と字幕スーパー】

ニューヨーク市拘置所

 

サラさんは弁護士(公選)に

「無実」と訴えた

○N:「ニューヨーク市内にある拘置所に入れられたサラさんには、公費で弁護士が付けられた。無実を訴えたが…」

 

【カット部分の補足説明、要約】

 

①   東京拘置所での勾留期間中に起きた『弁護過誤とネグレクト』:

国選弁護人のH氏に無実を訴え、複数の証拠・証人の存在を説明し、「引き渡しに反論する」多数の証言および証拠提出を依頼したが、H氏は「アメリカへ引き渡された後に、あっちでやってくれ」と裁判準備を徹底拒否。証拠・証人は裁判所に提出されないまま、1度限りの審問日を迎えた。

②裁判所が作成した「引き渡し“決定書”」と、それを承認した南野法務大臣の署名による「引き渡し“命令書”」の存在。

法廷戦略も、補佐弁護人との“法廷戦術”“想定問答”など打ち合わせもないままに迎えた1度限りの審問日。依頼した証拠の提出も、無罪証人の法廷証言も果たされぬまま、米連邦検察からの起訴状の追認裁判となった。東京高等裁判所が引き渡し“決定書”を作成・発行し、それを法務大臣(当時)が署名・命令。容疑者・山崎の身柄とパスポートは、東京拘置所内(日本の領土内)で4人の米政府官憲へ引き渡された。

②   ニューヨーク連邦拘置所へ強制送還された翌日、初めて面談した米公選弁護人は、翻訳された“東京高裁の決定書”を容疑者・山崎に突き付け、「これを見なさい。あなたは有罪だ!有罪と判決が出たからこそ、日本政府は引き渡し請求に応じたのであり、無実の自国民を引き渡す政府はない。だから有罪を認め、米法廷で有罪答弁をする選択しか、あなたにはないのである」と、木で鼻をくくったような怒りの対応を、初日から見せた。アメリカ政府の引き渡し請求に応じた決定そのものが、有罪の認定=棄民とみなされ、「無実の訴え」に耳を傾ける裁判関係者は皆無となった。

③   事実上、容疑者・山崎の権利擁護を補佐する弁護人は、東京拘置所に収監された第1日目から、1年9カ月後に出獄するまで、存在しなかったのであるが、その弁護放棄の動機と根拠とされたのが、「高裁の決定書」と日本国法務大臣の署名による「引き渡し命令書」であった。

④   本政府による“引き渡し決定書”が決定的な有罪証拠とみなされ、公平な裁判を受ける権利は、引き渡された時点で剥奪されていた事実を、法務省と政府担当者は知るべき事例といえる。

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○Sarah:「(弁護士の助言によると)『有罪答弁さえすれば、すぐ出してくれるから』、『アメリカの陪審員(制度)というのはね、映画やテレビで観るほど正義はなくて、その裁判の場になんて、身をさらしてはいけない』と(弁護士に強く進言された)」

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○N:「弁護士は、陪審員裁判を避けるため、(実際は犯してはいない)罪を、認めることを勧めたという」

【録画の放送と字幕スーパー】

アメリカ裁判の流れ:

             →陪審員(裁判)→

             証拠検証や事実認定 

             ↑              ↓

          無罪答弁      有罪(判決)の場合

            ↑          ↓

         公判前手続き       量刑裁判

    被告が公判前に有罪答弁した場合 → (裁判官が)量刑を下す

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【司法取引とは?】

被告が公判前に有罪答弁:

          →検察が起訴内容を一部取り下げ

          →量刑が軽くなる

                 司法取引

 

○N:「アメリカでは、被告は公判前手続きで、有罪か無罪かを答弁する。無罪答弁すると、市民から選ばれた陪審員が、証拠検証や事実認定を行い、有罪とされると量刑裁判がある。しかし、罪を認める有罪答弁をすれば、陪審員裁判を経ずに裁判官が量刑を下す。通常、公判前に被告が罪を認めると、検察が起訴内容の一部を取り下げるなど譲歩するため、量刑が軽くなる。これは“司法取引”と呼ばれ、実に9割以上の事件で行われているのだ」

○N:「しかし、司法取引は重大な問題をはらんでいると、アメリカ冤罪研究の第一人者、スティーヴン・ドリズィン教授(ノースウェスタン大学)は言う」

○スティーヴン・ドリズィン教授(以降、“ドリズィン教授”と表記):“Plea Bargaining does create incentives for defendants to plea “Guilty” to crimes that they did not commit. It makes it much more attractive even for “Innocent”people to plea “Guilty”, when they are worried about getting extremely long sentences.”

「司法取引は、無実の被告が、犯していない罪に対して“有罪答弁”してしまう、誘因になります。(被告が)極端な長期(厳罰)刑を言い渡される恐れを抱いている時には、無実の人でさえも、有罪答弁をしてしまいたいと考える誘惑になります」

【録画の放送と字幕スーパー】

アメリカ冤罪研究の第一人者、スティーヴン・ドリズィン教授:

 

「司法取引は、無実の人が有罪答弁する、きっかけになります」

「長期刑になるくらいなら、無実でも『有罪答弁して、司法取引しようか』と」

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○N:「サラさんは、『やってもいない罪は、認められない』と、弁護士を2度、解任。最後には、私費で弁護士を雇ったが、やはり『(無実であっても、なお)罪を認めるよう』勧められた。我々が、サラさんに有罪答弁を勧めた(私選弁護士の)ザップ弁護士に尋ねると、それには理由があるという」

 

録画の放送と字幕スーパー

3人目の弁護士(私選・当時)

ジョハンナ・ザップ氏

「有罪答弁」をサラさんに勧めた

 

理由は:

「(たとえ無実であっても)何年もアメリカの刑務所に入ることは、目に見えていた」

「彼女は外国人で、9.11直後のアメリカ人が激怒する事件の被告人」

 

たとえ彼女が無実でも?

「無罪」になるのは、難しい裁判だった

 

ザップ弁護士の判断:

「外国人が、9.11に便乗し詐欺(を働いたとの嫌疑がかけられた事件)」と聞いた陪審員が、“有罪”と考える恐れが高い」

 

○ザップ弁護士:“…years and years and years in American jail. That’s would have happened to her. Because you are a foreigner, it was a post 9.11, and you are accused of a crime (that) people were just gonna freak out over.”

「(たとえ無実であっても、陪審員裁判になれば)何年も、何年も、何年もアメリカの刑務所に入ることは、目に見えていた。それが彼女(サラさん)の身に起こるであろうとわかっていた。なぜなら、彼女は外国人であり、9.11事件後に、アメリカ人が激怒する犯罪で告訴されていたからです」

 

○江南記者の通訳者:“Even she was innocent?”

「たとえ彼女が無罪であっても?」

○ザップ弁護士:“Even she was innocent, you would had (you know it was) a tough battle.”

「彼女が無罪であっても、困難な闘い(裁判闘争)になっていたでしょう」

 

○N:「ザップ弁護士は、『外国人が9.11に便乗し、詐欺を働いた』と聞いただけで、陪審員が冷静さを失い、サラさんの訴えに耳を貸さない恐れが高いと、判断したというのだ」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

ニューヨーク市拘置所(訂正:MCC NY ニューヨーク連邦拘置所):

大きな通気口が上に開いていて

24時間、冷たい風が吹き付け、低体温症になる

 

診断書:Hepatitis B Surface Abnormal

B型肝炎発症

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

“共謀犯”A氏の証言

裁判長:

「あなたと彼女は、お金を不正に得るために、偽の申請書を作ろうと同意したのですか」

 

弁護士A氏:

「はい、同意しました」

 

○N:「この間、サラさんを苦しめたものが、まだあった」

○Sarah:「(頭上に)、大きなベンティレーション(通気口)の穴が上に開いていて、24時間、四六時中、轟音と共に冷たい強風が吹き付けてくるので、低体温症になるんですね」

 

○N:「さらに、拘置中にB型肝炎を発症。そんなサラさんに追い打ちをかけたのが、“共謀犯”とされた弁護士A氏の証言だ」

 

○N::【ヘラースタイン氏、アメリカ連邦地検ニューヨーク南部地裁、裁判長(以降、“ヘラースタイン裁判長”と表記)引用】『あなたと彼女は、お金を不正に得るために、ニセの申請書を作ろうと、同意したのですか?』

○弁護士A氏【引用】:『はい、同意しました』

【録画の放送と字幕スーパー】

弁護士A氏が「有罪答弁」

○N::「陪審員裁判に入る前の手続きで、(弁護士)A氏が“有罪答弁”をしたのだ。ザップ弁護士は、サラさんに“有罪答弁”するように再度説得した。もはや、有罪が避けられなかったからだ。それはなぜか?」

【録画の放送と字幕スーパー】

ザップ弁護士:

「共謀罪」は大抵の場合

二人の合意だけで成立する

 

証拠は必要ない?

…just making an agreement”.

「合意さえあれば良い」

 

A氏が罪を認めたので)彼女が

「共謀罪」から逃れるのは困難だ

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○ザップ弁護士:“Almost always ‘Guilty’ of a conspiracy. A conspiracy is just an agreement between two people.”

「共謀罪では、ほとんどの場合、有罪となる。共謀罪は、ただ『二人の合意』だけで成立するもの(だから)」

 

○江南記者の通訳者:“Evidence?”

「(有罪の)証拠は(必要ないのか)?」

 

○ザップ弁護士:“It’s easy to get it. It’s just making an agreement. Now I think it’s a good way to put it as hard to get around the ‘conspiracy’ charge.”

「(共謀罪に)させられるのは、簡単です。ただ、『合意をしたこと』が罪なのです。(1人が罪を認めさえすれば)、彼女が‘共謀罪’から逃れるのは、ほとんど無理だと考えるべきでしょう」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

共謀罪

犯罪が行われなくても

事前に謀議があれば罪に問える

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○N::「共謀罪は、犯罪が行われていなくても、事前に謀議があっただけで罪に問える。A氏が有罪を認めた以上、サラさんが無罪を訴えても、徒労に終わる事を意味していた」

 

○Sarah:「共謀罪の怖さというものを、とことん教えられましてね。共謀犯とされる『かたわれ』が、先に“有罪答弁(司法取引)”をして、先に、服役してしまっているので…」

 

○大谷:「もう、どうしようもない」

 

○Sarah:「ああ、もう、あなた無理って…」

 

【録画の放送と字幕スーパー】

2006年5月19日

サラさん「有罪答弁」

→(その後)証拠調べはまったく行われず

 

連邦地裁:

「禁固2年」の実刑判決

→サラさんは刑務所に

 

○N:「拘置されて207日目、サラさんは遂に、有罪答弁に追い込まれた。その後、証拠調べは、まったく行われなかった。2カ月後、サラさんに下ったのは、禁固2年の実刑判決。そして、コネチカット州ダンベリー刑務所に、収監されたのだ」

【録画の放送と字幕スーパー】

日本政府:

(これまでに)12人の日本国民を米国に引き渡し

(2008年末まで)

 

1度だけ、引き渡されなかった事例:

遺伝子スパイ容疑事件(新聞記事:2001年5月10日夕刊から転載)

 

岡本卓、元研究員:

「政治的判断で、実際に引き渡しになるんじゃないか」

遺伝子スパイ事件

2001年5月、アメリカ連邦検察が岡本氏を「経済スパイ罪」で起訴

オハイオ州の研究所からDNA試料を持ち出し

↑スパイ行為にあたる

岡本氏はアメリカに引き渡されなかった

○N:「日本政府は、これまで、12人の日本国民をアメリカに引き渡している。しかし、応じなかったことが、過去に1度だけある。遺伝子スパイ事件だ」

○岡本卓、元研究員(以降、“岡本元研究員”と表記):「政治的判断みたいなもので、実際に引き渡しになってしまうんじゃないか…」

○N:「2001年、埼玉県にある国立理化学研究所の研究員、岡本卓(たかし)氏が、アメリカから『経済スパイ罪』で起訴された。かつて働いていたオハイオ州の研究所から、DNA試料を持ち出したことが、スパイ行為にあたるとされたのだ。岡本氏は東京拘置所に入れられたが、引き渡されることはなかった。それは、なぜか?」

○N:「アメリカでの起訴が、当時、大々的に報道されたため、岡本氏は弁護士に相談。法務省にも足を運び、『持ち出したのは個人所有のDNA試料で、スパイ罪にはあたらない』と、詳しく説明した。しかし、法務省は及び腰だったという。岡本氏の弁護人は、法務省担当者の言葉を、今も覚えているという」

○岡本氏の弁護人(当時)、川口和子氏(以降、“弁護人、川口氏”と表記):「(法務省担当者が言うには)『まず間違いなく、引き渡されることになりますから、任意でアメリカの領域内に入って出頭したほうが、まだしも司法取引とかで最終的結論が軽くなる余地があるんじゃないですか』なんて、言われたりして」

【録画の放送と字幕スーパー】

岡本氏の弁護人(当時)、川口和子氏:

(法務省の役人は)、「まず間違いなく、引き渡される」と

「任意でアメリカに渡り出頭すれば、司法取引で軽くなるのでは」と言われた

 

2004年2月、日本政府が岡本氏を拘束

↑「弁護活動に支障」

 

(弁護人、川口和子氏の主張):

「逃亡犯罪人引渡法」には、『保釈』と同じような制度はない」

 

「逃亡犯罪人引渡法」では:

●刑事被告人にある“保釈権”を認めず

●拘束←2カ月(以内に決定することに)=審問→(引き渡し)決定

        ←約40日(しかない)→ =「弁護活動」

 

2004年3月29日(拘束55日後)、東京高裁の決定:

「逃亡犯罪人ではなく、引き渡せない」(との決定を下した)

 

(弁護人、川口和子氏の主張):

●「非常に長い準備期間があったので、かろうじて引き渡しを阻止できた」

●「当事者にとっては、(逃亡犯罪人引渡法は)かなり酷な制度で、『邦人保護』の観点からは不十分(な制度だ)」

○N:「そして2年後、危惧していたことが現実となった。アメリカの求めに応じ、日本政府が岡本氏を拘束。東京拘置所に収監したのだ。これは、岡本氏の弁護活動に大きな障害になったという」

○弁護人、川口氏:「逃亡犯罪人引渡法っていう法律のどこにも、(刑事訴訟法で保障された)その保釈と同じような、外に出してあげましょうという制度がないんですよね」

○N:「実は、日本の逃亡犯罪人引渡法では、刑事事件の被告にはある保釈の権利が、一切認められていない。さらに、東京高裁が身柄の引き渡しに応じるかは、拘束から2か月以内に決定することになっている。しかし、実際は、およそ40日後に1度だけ開かれる審問までしか、弁護活動が行えないのだ」

○テレビのニュース報道、レポーター現場取材映像(2004年3月29日、拘束55日後に放送):「岡本元研究員を乗せた車が、たった今、東京拘置所から出て来ました」

○N:「岡本氏の場合、東京高裁がアメリカに引き渡さないという決定をしたため、拘束から55日後に自由の身となった。しかし、それは起訴から2年という時間があったからだという」

○弁護人、川口氏:「たまたまなんですけど、非常に長い準備期間があったので、かろうじて引き渡しを阻止できたんだというふうに、考えてます」

○N:「拘束されてから弁護活動を始めていたら、とても間に合わなかったと振り返る。そして、こうも口にした」

○弁護人、川口氏:「当事者にとっては、かなり酷な制度なんじゃないですかね。『邦人保護』という観点は、非常に不十分なんではないかと思います」

【録画の放送と字幕スーパー】

2007年3月26日

谷川サラさん、刑務所から出所

(アメリカ永住権の返上を余儀なくされた)

 

2007年5月11日 日本に帰国

 

海渡雄一弁護士(の主張):

●「念入りに証拠を調べていれば、引き渡さない決定も出来たはず」

●「アメリカから寄せられている証拠で、『引き渡す』と決めてしまった」

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○N:「2007年3月、サラさんはコネチカット州の刑務所から釈放された。アメリカの永住権を持っていたが、返上することを余儀なくされ、(2007年)5月11日、ようやく日本の地を踏んだ。今、サラさんの相談に乗っている海渡弁護士は、東京高裁がアメリカに引き渡されるとした決定について、こう指摘する」

○海渡雄一弁護士(以下、“海渡弁護士”と表記):「もう少し念入りに、その証拠を調べてみようと(していれば)、そこに、きちっとした犯罪が立証されているとみなされなければ、引き渡さないという決定もできたはずですけれども、アメリカから寄せられている証拠で、もう引き渡すというふうに決めてしまったわけですよね。それで、じゅうぶんだと」

○N:「サラさんは、いつか再び、アメリカに渡ることを考えている。それは、着せられた汚名をそそぎ、名誉回復をはかるためだ。引き渡されることが決まった日に味わった絶望。そして、連邦検察の主張をそのまま聞き入れたとも言える、日本の司法への悔しさを今も、忘れられないという」

【録画の放送と字幕スーパー】

(サラさんの主張):

「対米関係で、従属に慣れすぎてしまっている」

「自国民の権利を守る最後の砦として、日本の司法が機能しているのか?」

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○Sarah:「対米関係ですよね。ず~っと、戦後、従属に慣れ過ぎてしまって、自国民の権利を守る“最後の砦”として、日本の司法や日本の裁判所が、機能しているのか?…悔しい。今でも、悔しいです」

○N:「国民の生命と自由を守るはずの政府。犯罪の事実があったかどうかさえ充分に検証せず、外国政府の求めた自国民の引き渡しに応じる日本の政府、司法は、いったい誰のために存在しているのか?法務省にただした」

【録画の放送と字幕スーパー】

大谷昭宏氏と番組は、法務省にただした

 

■法務省からの回答(要旨)■

 

Q.引き渡し請求が来た時に、留意する点:

『犯した行為の内容、及び重大性、我が国において、その犯罪について処罰することができるか否か、引き渡した場合にいかなる処罰がなされ得るか、当該日本国民を引き渡すことについての国民感情などの事情を、具体的ケースごとに勘案して判断する』(*一部抜粋)

Q.逃亡犯罪人とされた日本人が反論する機会が充分ではないのではないか?:

『我が国における引渡手続きは、逃亡犯罪人の刑事責任を決定する場ではなく、アメリカ政府の主張に対する反論の主張立証活動は、アメリカの刑事手続きにおいて、適切に保障されているものと承知しております』(*一部抜粋)

 

米国の司法を信頼?

日本の司法は、国民の権利を…

 

■「逃亡犯罪人 引渡法」の問題点■

    ●「保釈権」が認められていない

    ●「推定無罪」が徹底されていない

    ●「双罰性」の判断が曖昧

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

○寺崎アナ:「番組では、法務省にインタビュー取材を申し入れましたが、文書で回答がきました。まず、引き渡し請求が来た時に、留意する点を尋ねたところ」

○小川アナ:「(回答書の抜粋、読み上げ)『犯した行為の内容、及び重大性、我が国において、その犯罪について処罰することができるか否か、引き渡した場合にいかなる処罰がなされ得るか、当該日本国民を引き渡すことについての国民感情などの事情を、具体的ケースごとに勘案して判断する』」(*一部抜粋)

○寺崎アナ:「また、逃亡犯罪人とされた日本人が反論する機会が充分ではないのではないか?という問いに対しては」

○小川アナ:「(回答書の抜粋、読み上げ)『我が国における引渡手続きは、逃亡犯罪人の刑事責任を決定する場ではなく、アメリカ政府の主張に対する反論の主張立証活動は、アメリカの刑事手続きにおいて、適切に保障されているものと承知しております』というものでした」(*一部抜粋)

○小川アナ:「大谷さん、これ、いかがですか?」

○大谷:「要するに、簡単に言えばですね、『文句があるんなら、アメリカへ行って、アメリカの裁判でやって下さい』ということだと思うんですね」

○田原総一朗:「権利も、義務もないということですね」

○大谷:「ないですね。だけど、それではアメリカの司法は、そんなに信頼できるものかといいますと、9.11以降、捜査機関の権限がもの凄く拡大されて、嫌疑のかけかたも非常に乱暴なんですね。身柄の拘束も、家宅捜索も(捜索令状や裁判所命令なしで)できると。ですから、そういうこと(2001年10月の愛国者法成立)にブッシュ大統領がサインした段階で、日本はですね、こりゃ大変だという準備をしておくべきたったと思うんですね」

○寺崎アナ:「そもそも、こうした引き渡しのケースというのは、多くあることなんですか?」

○大谷:「日本が引き渡し条約を結んでいるのは、今、アメリカと韓国なんですね。韓国はゼロです。アメリカはですね、過去12人の日本人を引き渡している。決して数としては多くないのですが、今、中国とまた、その条約を結ぼうとしているわけです。だとすれば、私は、今が法改正しておくチャンスだし、しておかなければいけないと思うんですね」

○小川アナ:「どういうふうに、変えていくべきなんですか?」

○大谷:「そもそも『逃亡犯罪人』という言葉自体が、最初から犯罪者と決めつけているわけですけれども。じゃ“犯罪者”と決めつけるなら、せめて、日本の刑事被告人がある権利ですね―たとえば保釈とか、推定無罪とか、双罰性と、刑事被告人でさえ、そういう推定無罪の原則があるのに、じゃ例えば法務省がどういう回答をするのかといいますと、『本当に引き渡していいかどうかの判断の証拠書類の開示さえ、アメリカ政府に要求はできない』わけですね。これは、アメリカ政府だけの問題かというと、やはり、日本の政府の側、日本の司法の問題でもあるというふうにいえると思うんですね」

○寺崎アナ:「あとは、この今、3つありましたけれども、この一番下ですねえ。“双罰性”っていうこと。これは簡単に言うと、どういう意味なんですか?」

○大谷:「(日米両国)双方で、罰則が、こういろいろ違うわけですね。詐欺に対する考え方も違うし、詐欺未遂というのは基本的にはないとか。あるいは、共謀罪は、こっちにはないわけですよね。そうすると、法解釈がそれだけ違うのに、その曖昧な法でもってきて『この人は、こういう事をしたんです』と言われてですね、そんな曖昧な状態で引き渡されてしまっては困るわけですし、そんな事で引き渡すというのであれば、日本の政府と司法というのは、本当に国民を守る気があるのか、ないのか?とうことで、司法の姿勢が問われていると思うんですね。裁判員制度がもう、いよいよ5月21日始まりますので、私たちの番組としては、ずっとこれから先、裁判員制度が始まったとしても、こういう日本の司法の在り方を、これから徹底的に追及していかなければいけないというふうに考えておりますので、ぜひ、ご覧いただきたいと思います」

○寺崎アナ:「アメリカの司法は、しっかりしているという話しだったですけれど、実は、9.11以降は…」

○大谷:「非常に、(アメリカ司法は)危うくなっている」

○田原総一朗:「ヒステリックだよね」

○大谷:「(アメリカ司法の危うさを)やっぱり、肝に銘じておくべきだと思うんですね」

【End 了】

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