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DSC00328

130330 孫崎享氏@ご自宅

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NHKに対し、評論家の孫崎享の番組出演を事実上制限するよう要請する旨の発言」(Wikipedia)

を行った大西英男議員に反論!

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【参考記事・動画】→130321 大西議員・孫崎発言弾圧

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大西英明 Wikipedia 

http://ja.wikipedia.org/wiki/大西英男 より

TPP参加には反対の立場 を取り当選。

しかし当選後は安倍政権のTPP参加政策を積極的に肯定 ←公約詐欺?

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【参考記事・動画】→130324 自民党・TPP公約詐欺

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◆130330 【TPPと言論封殺を語る】孫崎享インタビューby市民メディア

http://www.youtube.com/watch?v=GX1f4Oa2VWU

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YamasakiJournal

公開日: 2013/03/30

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追記:2013/4/4

【要旨•書き起こし(未校了)】

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●孫崎氏:
 スタートはテレビ朝日の「そもそも総研」でTPPの話をしたんですね。TPPの大きな論点は第一に「安倍首相は、日本はTPP交渉に入って自分たちの言い分をしっかり受け入れさせる」ということをおっしゃっていますが、TPP交渉の状況を見ると、それはあり得ないと。
 根拠は2~3あります。後発でTPP交渉に入った国、メキシコとカナダは、入る時に条件を付けられている。この条件は今まで決まっていることについては無条件で受け入れるように言われている。TPPの交渉自体はほとんど終わっていまして、今年の7月にもう一回大きな会合があり、9月にシャンシャンと進んで、10月、11月に首脳レベルで正式に発足ということになっています。交渉自体はほとんどが終わっている状況ですから、後から入って行った国は、新しい交渉は何もできないという状況が、伏せられている。首相が「自分たちの言い分をしっかりやる、交渉力で頑張れるのだ」というのは間違っていると言ったわけです。

 TPPに入ると、どういう危険性があるかというと、よく農業だと言われますが、他に分野は20以上あるので、日本の経済活動のすべてに影響する。その中で一番危惧されるのが「ISD条項」と呼ばれるものです。「ISD」と言ってもよくわからないですが、Iは投資家、Sは国家、Dは紛争ですね。だから「投資家が国家を訴えることができる制度」ということなんです。
 どういう場合に国家が訴えられるかというと、投資家は日本など、市場に投資をします。その際一定の期待値を持つわけですが、ところが、その国の法律・制度によって、その投資が十分に獲得できない時には、その国の法律を訴えることができる、という制度なんです。ということは、基本的に国家の主権がなくなるという条項なんです。
 ISD条項を含むTPPに入るということは、日本の国家主権が大きく侵害される、と番組で言ったわけです。TPP問題は、農業ばかりではなく、もっと深刻であるということを、大手メディアで解説した人物は、今まであまり居なかった。それを「そもそも総研」が10分くらいにまとめ、観ていた人に相当深刻な影響与えたんですね。それでこの件について、3月21日の衆議院総務委員会の席上で、自民党の大西英男議員が私を批判したんです。
 大西さんが(総務委員会で)TPPを取り上げたのは、奥さんから「『そもそも総研』を見ていたら、孫崎という人間が大変なことを言ってますよ」と電話があったからだそうなんです。私が大西議員に対して疑問を持っているのは、彼がTPP反対派であるということです。もしもこの人が賛成派なら「反対派の人間がいちゃもんをつけている、調べなきゃならん」となるんですが、大西さんはTPP反対を言って選挙に選ばれた人間です。もしTPPに問題や危険性があると思ったら、首相や外務大臣を呼んで「総理、あたなたは何の問題もない、交渉はできると言っているが、メキシコやカナダへの条件を見ると交渉できないんじゃないか」と問いつめなければならないのに、全く逆に、TPPの危険性を言った人間に対して批判している。  
 これは「ヤラセではないか、誰かから指示されているのではないか」とも言われていますが、その可能性は強いと思います。大西さんは冒頭で「今日初めての質問です」と言っている。10分間の質問時間の中で、私への批判を5分間もやっているわけです。出だしの質問ですから、彼にとってはデビューで大変重要なもの。勉強して、やりたいことがあるから総務委員会に入っているわけで。何か他に主張することがあるにも関わらず、5分間を使って私ごときを攻撃したのは、全くおかしい話。●●NHK会長がおいでで「TPP問題で独善的だ」と言った。●●
 もうひとつ、大西さんが私を攻撃する論点は「(孫崎氏は)尖閣諸島は中国領、竹島は韓国領だと言っている。このような人間を番組に出すのはおかしい」というものです。しかし、これはあり得ない。
 私自身、尖閣諸島、竹島が日本固有の領土であるかどうか、ということについて「歴史的経緯を見ると解決が難しい問題である」とは言っているけれども、彼が言うように「中国領、韓国領だから、日本の主義主張は全くないんだ」という論旨ではない。
 私がツイッターで大西さんに反論したその日、彼は「(孫崎氏の)本をちゃんと読んでいる」と自己弁護を書いているんですが「本当かいな」と思いました(笑)。彼が読んだという本の中のひとつは「日本外交 現場からの証言―握手と微笑とイエスでいいか(中公新書)」という本ですが、絶版になっているので入手しようとするとAmazonぐらいでしか買えないんです。700円の本が2,000円以上、場合によっては1万円もする。こんなもの買うわけがないし、私だって買いたくはない。だから読んでいるはずは無いと思われるんですね。読んでいれば、私の主義主張はわかるはずですし。
 日本の今、非常に危険なところは、人に簡単なラベルを貼ること。ラベルを貼って、その人の人格を破壊する。話は脱線しますが最近、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏と話したんですが、彼の非常に興味深い「人物破壊 誰が小沢一郎を殺すのか?(角川文庫)」という本の広告を、大手新聞社が掲載するのを断ったというんです。宣伝までは受け入れない。…大手出版社~角川さんが出す本なのに、朝日新聞が拒否している、と角川さんが言っている。日本の言論統制は、そこまで来ているんです。
 ついでに朝日新聞といえば「(孫崎氏の)『戦後史の正体』は陰謀論だ」というひどい書評を出しているんですね。「戦後史の正体」の顛末は面白く、長い間大手新聞は全く書評を出さなかったんです。私も出るはずないと思っていました。ところがベストセラー近くまで売れ始めると、「放っておくわけにいかない」ということで、朝日新聞が取り上げた。「すべてはアメリカの陰謀で、アメリカが気にいらなかった指導者はすべて検察によって摘発され、失脚してきたんだそうだ」という、非常に雑な書評だったんです。私の本では、そうは書いていない。だからツイッターで「朝日新聞が事実に基づかない誹謗中傷をするのはおかしい。私に謝るべきだ」と申し訳程度に書いた。その時点では、私のツイッターに影響力があるとは思っていなかった。ところが大変な抗議があったんです。朝日新聞に電話がじゃんじゃん掛かったようで、これが朝日にとっては予想以上だった。
 それから3~4日後、朝日新聞が来て「孫崎さんのご意見をお伺いしたい」ということになって、最終的には冒頭の10行の「陰謀論である」という部分を削除することになった。冒頭の10行を削除するということは、書評として成り立たないですよね。
 今日おいでになる普通の方々の力というのは、凄くなってきたんです。色々なメディアが出て来て、何かあると、その力が集結するようになった。

●市民:
 世論がマスコミと戦って謝らせたということですよね。すごいことですね。

●孫崎氏:
 私は何もしてないんです。ツイートしただけ。それを、みなさんがアクション~リツイート、電話をして動いた。大手メディアは無視できなくなりました。
 大西さんの話に戻ると、私への全く正当でないレッテルを貼って「こういう人をNHKが出すことはおかしい」と、衆議院の総務委員会で言ったわけです。委員会の場に居たNHK会長(松本正之氏)も「出演者については、色々な論点を紹介する判断の材料を提供するために依頼するということで、報道機関として放送法の求める公正公平、不偏不党という原点を踏まえて、考えてまいりたいと思います」と答弁した。私に対する好意的な発言は特になく…当然ですが(笑)。

●市民:
 NHKが不偏不党とは、みんな思っていないですよ。

●孫崎氏:
 NHKの内部自体で、必ずしも不偏不党の報道ができていない。公平な報道ができないので、NHKの人間自体が居られなくなるような事態が起こっている。NHKが右も左も、色んな角度の主張を出して、国民の判断に供する、という報道姿勢がない。そう思われているところに、こういう事件が出てきている。そういう圧力は表に見えないわけですよね。例えば原発の番組を作って、記者がNHKから離れて行くということがありました。

●市民:
 堀潤氏ですね。彼は辞めさせられたんですよね。

●孫崎氏:
 どういう形で辞めさせられたかまでは、正確にわかりませんよね。今回の場合は明確に、国会という公の場所で「使うな」ということを言ってきたわけですから。これは本来ならば、大手メディアが戦わなければならない事態。

●市民:
 真っ向から批判している所がないですね。私は総務委員会を見ていてびっくりしました。これは放置したら大変なことになると思いました。

●孫崎氏:
 好ましくない人物に発表の場を与えない。野党も沈黙している。本来ならば「民主主義の根幹である、自由な言論を封鎖する問題ではないか。国会という場所まで使って圧力をかける、というのは大変なことである」と騒がなければならない。野党議員も何も言わない雰囲気です。

●山崎淑子:
 タイミングが図られているんです。完璧に陰謀です。NHKの予算編成権が政府与党にあり、あの時期、丁度NHKの会長を呼んで、予算編成をしていたんです。「このまま孫崎さんを使うと予算を減らすぞ」という間接的な恫喝です。

●孫崎氏:
 それは重要なところですね。単なる質疑ではなく、NHKの予算を審議する場所で、重要な局面でやってるんですね。

●市民:
 大西さんの国会答弁はyoutubeで荒れていて、「よくやった大西」というのと「孫崎さん頑張れ」という2つの議論があり、削除されたり凄い状況になっています。大手メディアは一切取り上げていないですが。


■質疑応答

●山崎淑子:
 2000年に「番組改編事件」がありました。従軍慰安婦問題の番組を、NHK社員のプロデューサーが制作しましたが、オンエア寸前まで当時の与党自民党の中川昭一さんと安倍晋三さんがNHKに乗り込み、繰り返し会長と編集室に圧力をかけ、直前までカット、カットで結局、一番肝心な部分は削除された内容が放送された。この時、NHKが与党の圧力に弱いことが実証されました。
 その時も大手メディアは一切無視し、制作サイドを応援しなかったので、そのプロデューサーは結局NHKを辞めたんです。その後訴訟になっていますが。
 予算編成権がある故の圧力、封殺による偏向番組、プロパガンダとしてのNHKの役割ということで、圧力が丁度かかっている時期に、先生が利用された。利用されたとはいえ、世論が騒ぐのは良いことですね。大手メディアが書かないことを、市民ジャーナリズムが報道して大論争を呼んでいるということは、2000年の事件当時より、大きな役割を得たのだと思う。

●市民:
 当時、小泉内閣で、安倍さんは副官房長官だった。それでNHKに介入・改竄したと言われていますよね。
 ところでTPPですが、問題は、デメリットに関して国民に一切情報を知らせないことです。政府や行政、大手メディアが一体となって「知る権利」を完全に否定し、何の根拠もなくイメージ的に「アジアの経済成長が取り入れられるんじゃないか」と世論誘導している。対して孫崎さんがISD条項の危険性や、交渉後発組にはほとんど発言権がない、と本当のことおっしゃったからこそ、彼らはNHKの会長を呼んで、総務委員会の席で、孫崎さんを吊るし上げた。「彼は陰謀論者、とんでもない、二度とNHKでは使うな」と言ったわけですね。それに対してメディアも野党も批判はしない。この国は一体なんなんでしょう。

●孫崎氏:
 大手メディア自身がリストを持っていて「この人たちは載せない」と。
 日本のメディアは米国などと比べると相当、程度が十分じゃない。ワシントンポストなどは、形式的には必ず保守派の人もリベラルの人も入れて、お互いに違う意見の場を与える。様々な見解を示して行くのが民主主義の根本になるのだけども、大手メディアは「編集権」などという変な言葉を使って「自分たちの主義主張、考え方以外のものは載せない」という流れの一環だと思うんです。

●山崎淑子:
 大手メディアは広告収入が激減し、事業体としても経営が揺らいでいます。ネットメディア総合の広告収入の方が、新聞・テレビの広告収入を超えています。故に広告主の顔色を見て、出向しているスポンサーに文句を言えない。特に政府は、政府広報として予算を各新聞に割り当てていますから。政府がお客さんなわけですね。

●孫崎氏:
 今年1月1日、NHKスペシャルに出演したのですが、この時も「なぜ孫崎を出したんだ」とクレームがあったのではないかと思います。私自身は極めて常識的なことを言っているつもりだが、日本は常識的なことを言えない空気になっている。常識的なことを言う人を見つけるのが難しい。
 以前、短いインタビュー(NHK・ニュースウォッチ9)でTPPのマイナス点を少しだけ述べて、次の日も発言することになっていたんですが「孫崎さん、申し訳ないですけど、あなたと同じ意見の学者を紹介してください」と言われたんです(苦笑)。ところが、これがなかなか居ない。医療の面、農業の視点からTPPに反対する人は居るが、私のポジションは国際関係や米国の戦略を見ながらTPP論を展開している。(どこかに)わかっている人は居るかもしれないけど、発言はしない。
 私は経済の専門家ではないのですが、TPP、オスプレイ、原発、増税は、みんな繋がっていると考えています。一番重要なことは、それぞれの項目の「核心は絶対に喋らない」ということなんです。原発でいうと、一番重要なことは「地震があったらどうなるか、地震の危険をどう見るか」という問題。再稼働する時には、その問題がいつの間にか消えて行っている。TPPの問題も、TPPに入った時に、どういうマイナスがあるのか、そのプラスとマイナスの比較がない。核心を言わないで、その他のものにすり替えて論議していく。
 普天間問題でいうと、沖縄住民の負担やオスプレイの配備が日本の安全保障にどんな重要性を持つか、こういうことが本来の問題点となるはず。沖縄の41市町村の人が銀座で反対運動をした時に(多分、動員された人たちだと思うんだけど)「中国からお金をもらってるじゃないか」という、全然違った所に論点をすり替えてくる。
 TPPも議論すればいいのに、いつの間にか「北朝鮮も中国も孫崎の意見を勉強したほうがいい。だから孫崎は危険人物だ」という話にすり替える。ある特定の人間に、作り上げられたキャラクターを適当に当てはめることで、その人物を破壊する。小沢問題も、みんな絡んできます。

●市民:
 NHKは「世論誘導する」と最初から決まっていて、それに必要なコメンテーター、評論家を出してくる。反対するような人は一切出さないと、ハッキリしていますね。

●孫崎氏:
 私の「日米同盟の正体」という本が、NHKラジオ(中でも少し幅が広いといわれるBS)で取り上げられて非常に反響が大きかった。年末の書評特集で再放送になるくらい。その時のスタッフが私に言いました。「この本を取り上げられた理由は、民主党政権になったからです。自民党政権だったら取り上げられなかった」。そういうことなんです。
 大西発言以降、番組出演依頼は今のところ2つ、民法であります。テレビタックルのTPP関係の録画と、4月10日くらいのもの。言論封殺の影響はまだ、他の局までは行っていないようですね。
 普天間問題が表に出たのも、当時民主党政権だったから。鳩山さんが「最低でも県外」と言ってるわけですから、取り上げない方がおかしいのですが。

●山崎淑子:
 「戦後史の正体」発売日に開かれた、鳩山さんの院内集会での先生のご講演が大変好評でした。国会議員、大手メディアの記者は、忙しすぎて勉強不足なので、ああいった、じっくりした勉強会があれば、党派を超えて先生のご見識をシェアすることができるのですが、残念なことに鳩山さんご自身が引退されて、勉強会が消滅してしまったのは本当に残念です。

●孫崎氏:
 実は、鳩山さんが「東アジア共同体研究所」を立ち上げ、私は無給の所長になったんです。

●市民:
おお~!初めての発表です。スクープです!知らなかった!
(一同喝采)

●孫崎氏:
 事務所は既にできていて、4月1日からスタートします。琉球新報と一緒にやるんです。若手が張り付いて6ヶ月くらい研究する。ブログのほか、一番の研究アイテムは普天間問題。なぜ迷走したのか、鳩山さんが全てを語り、それを発信の母体としたいと思っています。外国人と鳩山さんの対談などもいいし、できるだけ鳩山さんには発信してほしい。私自身無給なので、出演者に出演料は払えませんが。

●山崎淑子:
 大手メディアが報道しなくても、市民メディアが取り上げます。

●市民:
 TPPのISD条項について、世界的企業が日本に事業展開・進出するわけですが、国内法で利益が得られなかったということで日本政府を訴える場合、それを裁定する機関は国際裁判所とかではなく、世界銀行の下部機関なんですよね。いわゆるグローバリズムを推進している組織なわけですが。

●孫崎氏:
 これはボクシングのジャッジと考えると良いと思います。ジャッジが誰かによって大きく影響されるわけです。国際司法裁判所の人事の場合は、どういう人間かを明確にした上で、投票で選ばれるわけです。ところが(TPPの裁定組織●●●●●では)判事が誰か、わからない。判決自体、基本的にはオープンにされない、ということですから公平性は全くない。どういう論議がされたかも明確にされていかない。

●山崎淑子:
 カナダやメキシコはISD条項で既に訴えられて全敗です。過去に、どんな人たちが下部組織の弁護士になったかというと、一般の、民間の、アメリカの超巨大な弁護士事務所が受注したり下請けしている。だから公平性などないわけです。自分たちのクライアントのために判事として出て行くわけですから、国際機関からお金もらっている一般の、公平な立場の判事ではなくて、民事の弁護士ですから、アメリカ企業寄りの弁護士です。一見すると刑事事件のように裁かれるけれども、実際は利益代表をしているのは米国企業、グローバル資本のクライアントのために送り込まれた判事なので、勝てるわけがありません。日本は、ただでさえ英語での司法は弱いわけです。これに、なぜ日弁連が反対を表明しないのか疑問です。
 2010年当時、菅直人首相が突然「TPP参加」と言って以来、私は「非関税障壁の方が怖い」と主張してきました。知材やサービスの中の、得に●●外事●●の法律事務所が、日本のどこにでも営業所を開けるという事項が、実は潜り込んでいます。今までは外国の弁護士が日本の弁護士事務所に軒を借りて、●●資格を取ることはできなかった。●●それが今後は、日本の法曹資格を持たずして、日本の津々浦々に営業所を開けるということは、日本の地方自治体や、小さな規制・条例が訴えられた場合、訴える役と同時に訴えられた側にも回りますよ、という双方弁護という利益相反をやりかねない。
 私はアメリカで、住友商事の訴訟事件の通訳・翻訳の責任者をしていました。銅の取引で、アメリカ大手の金融会社に住友商事が大損をさせられた事件です。この時、日本で一個人に有罪判決が下りましたが、民事では両方同じ弁護士事務所が付いていて、示談に至るまで、私は両者と仕事をしていました。このように、何の倫理もなく、何でも司法ビジネスに繋げるのがアメリカの腐敗し切ったシステムです。アメリカそのものを崩壊させたビジネス「強奪司法」が、日本に襲いかかってくるわけです。ですから本当に怖いのは、目に見えないサービス業などの非関税障壁なのです。日本の国のあり方まで壊され、ひっくり返ってしまう。それを先生が先日、発言してくださいました。

●市民:
 USTRに関して、ホームページにひどい誤訳が上がっています。3月13日にシンガポールで行われた第16ラウンドのTPP交渉結果について、森ゆうこさんがIWJの記事から見つけ、国会で(政府参考人:外務省経済局長 片上慶一氏に)質問しました。ここで問題なのが、カスタムスという言葉。これを通関と訳すか関税と訳すか~外務省は関税と訳して良いという見解を示しましたが、日本語にならないような翻訳です。英語を読んでみると「16回の会議で話はまとまったので、もう次はない。関税、通信、投資、サービス、貿易障壁、知的財産などなど、既に大まかに決まっている。ラストステージ~契約まで話し合わない」と読める(外務省は「ちゃんとした翻訳を出します」と言ってたのですが、待てないので私が勝手に訳しました)。交渉の余地はないんです。後は、まとまらない残り3分野~税関通信規制の調和および環境に集中していくと。

●孫崎氏:
 読んだところ、交渉は終わっていると読めますよね。私からハッキリとは申し上げられませんが、ここでは「USTRはアメリカ側のTPP交渉の責任部隊」と考えておきましょう。

●市民:
 USTRというのは、毎年日本側に年次報告書を出してくる部隊ですか?

●孫崎氏:
 いえ、それとは別かもしれないです。日米通商摩擦があった時に相手になる交渉部隊ですね。

●市民:
 強硬派ですよね。

●山崎淑子:
 USTRの文書には、18決まって、あと3つ、3分野だけ結論が出ていないと書いてあります。
 年次報告書自体は、在日の商工会議所から出ています。商工会議所が国務省やUSTRの要望を代理でまとめていました。それを鳩山政権で反故というか、お断りしたわけです。

●市民:
 来週、外務省が日本国民に向けて現状のTPP交渉を、どう説明するか注目ですね。

●市民:
 TPPの農業に与える影響について。姜尚中さんが、2週間かけて韓国の畜産農家に取材していました。韓国はFTA(自由貿易協定)の影響をもろに受けていて、アメリカの安い輸入牛肉のせいで、牛価格は1キログラム700円くらいまで下がった。飼料代・電気代がかさんで廃業する人も多く、自分たちも維持できるかどうかわからない、ということでした。日本も同じですよね。

●山崎淑子:
 ラチェット条項がありますから、仮にBSEが発生したとしても、韓国の側からは戻れないわけです。アメリカの牛肉を入れない、ということはできない。アメリカ側が文句を言ったり打ち切ったりすることはできますが。不平等条約そのものです。

●孫崎氏:
 ラチェット条項とか言っても難しいので、簡単にいうと、菅さんの発言「第3の開国」とは、とんでもないと。
 第1の開国で、黒船が来て起こったことは、関税の自主権がなくなり、治外法権を認めた。
 第2の開国で、ミズーリ号で降伏文書に署名し「これからの日本は連合国家の命令を全て聞きます」となった。
菅さんは、アメリカの誰かに言われたんだと思う。アメリカ側からすれば、関税の自主権を日本側に与えず、治外法権で連合国側の言うことを聞かせる。素晴らしい開国だと。これを今回もやるんですよ。

●山崎淑子:
 大ベストセラーとなった先生の「戦後史の正体」(22万部刷)の続編として出版された「日米地位協定入門」は、私が編集のお手伝いをさせていただきました。この本の中に、アメリカの言うことを聞きます、アメリカは治外法権です、という仕組みは実際に今も続いていて、根底に日米地位協定や日米合同委員会の密約があると書かれています。

●孫崎氏:
 オスプレイ問題の時、野田首相(当時)が「配備の問題については日本側がとやかく言えないことになっています」と発言し、それからしばらくして、閣議で日本の航空法はオスプレイの訓練には適用しないと決めた。閣議が「日本の法律よりも米軍の飛行訓練の方が上だ」と認めているようなものです。これは安保条約がどういうものであったか、という所からスタートしているんですね。皮肉にも安倍政権は(1952年4月28日・サンフランシスコ講和条約発効の)「主権喪失の日」に「主権回復の日」とやっていますが…。
 どうして主権を喪失しているかというと、米軍の有り様です。独立後に米軍をどうするかという交渉で、ジョン・フォスター・ダレス(国務省顧問・当時)は「自分たちの必要な軍隊を、好きなだけ、好きな場所に置くことが我々の交渉の目的だ」と言ったと「日米地位協定入門」には書いてある。期間も範囲もない。日本に米軍がそのまま居る戦後の駐留体制は、ずっと続いているんですね。
 世界を見てください。米軍がどれだけ駐留していますか?イラクでさえアメリカ軍を追い出したんですよ。イラク戦争10年ということで来日した、何回も監獄に入れられて精神的な虐待を受けた、あるイラク人写真家がこう言いました。「我々はアメリカよりも強い、アメリカは弱い。我々には戦う正義があるが、アメリカには戦う正義がない」と。この気持ちが、今の日本人にはないんです。

●山崎淑子:
 2年前の上智大学の講義で、先生が連れて来られたイラク大使も同じことをおっしゃっていました。「我々は戦う。殺されたら次の者が出てくる。戦い続ける。命は惜しくない」。日本の男性、官僚も政治家も、何故こんなに、ふにゃふにゃなんでしょう。

●孫崎氏:
 こういう議論をすると必ずネット右翼という人たちが出てくる。「アメリカに支配される方が中国に支配されるより良いだろう」と言ってくる。ネット右翼は必ず誰かに支配される、という思想に留まって、「自主」の意識がないんだよね。

●市民:
 毎週大久保で「韓国人出て行け」と主張するデモが起きています。主催者の在特会に、なぜ「韓国人死ね、朝鮮人死ね」とやっているのか聞いてみると「日本に居る朝鮮人によって日本人は圧迫を受けている、搾取されているのだ。だから出て行って欲しいのだ」と。では、アメリカはどうなのかと聞くと、誰も答えないのです。突然日本語が通じなくなる。このような人たちに、今日のこの話を是非、聞いてもらいたい。

●孫崎氏:
 おかげさまで「戦後史の正体」(22万部刷)、「日米地位協定入門」は5万部刷りに入っているように、一方において、少しずつ事態を理解しようとする層も増えてきている。原発事件の後、権威ある人が嘘をついている(メディアは嘘ついている)と思う人が増えてきています。

●市民:
 「日米地位協定入門」の中で、4つの米軍基地が首都を取り囲むように配備されている図が掲載されています。これでは首都で何かあれば、すぐに制圧されてしまう。特に横田基地は、米軍機で来ると、CIAだろうが工作員だろうが暗殺者だろうが、ゲートで何の管理もなく、自由に出入りできる。事を無事に終えると、そのままアメリカに帰ることができる。CIAは世界中で作戦を失敗させているのに、日本でだけ大成功しているのは何故か?ノーチェックだからですね(通関も税関もパスポートもノーチェック)。そんな先進国は他にはない。アメリカに占領されたイラクでさえも、米国と地位協定の交渉をしっかり行い、米軍人やその家族がイラクの領土に入る時には名簿を出してチェックすると。イラクは権利を勝ち取っているのに、なぜ日本だけフリーなのでしょうか。

●山崎淑子:
 日本には制空権がない、ということを知っている人は多いと思いますが「日米地位協定入門」を読んで初めて気付いたのは、日本の航空法が最初から適用除外とされていること、治外法権であることが、地位協定に最初から書かれているということでした。この本を読まないと、誰も知りませんでした。

●市民:
 横田が管理しているのは1都8県で、巨大ビルのようです。日本の飛行機が羽田から関西に行くためには、房総半島に行って、5000メートル上がって、急転回しなければならない。こんな曲芸のようなことを毎日やっている。

●山崎淑子:
 空を制圧され続けている。戦争が終わったといえども、日本に制空権はない。オスプレイの問題も解決できないのは、日米地位協定そのものが破棄できないからです。

●市民:
 日米安保条約を破棄すれば、自動的に破棄できる。自動更新なので。

●孫崎氏:
 日米安保条約と同じものを作っても良いのです。日米地位協定は日米安保条約の下にありますから。

●山崎淑子:
 破棄しようとすると暗殺されたり、人物破壊されたり、スキャンダルで嵌められたり、ハニートラップをかけられたり…。

●孫崎氏:
 鳩山さんは普天間の問題だけでもあれだけ猛烈に人物破壊された。民主党ができて9月の段階で、外務大臣の岡田さんと防衛大臣の意向は、辺野古移転に向かっていた。それから8ヶ月も持ちこたえた鳩山さんは「孤立無縁で戦った。頑冥に戦った」と、なぜならないのか。その辺を、今度ご本人に直接お聞きしてみたい。

●市民:
 「原子力村」のように、「安保村(学者・政治家・メディア)」というのがあります。日本は米軍主権と言ってもいいような現状です。「日米地位協定入門」の中に、TPPは経済上の活動にまで(米軍主権を)持ち込もうとしているのではないか、という表現がある。米経済、米多国籍、実際には超国家企業たち(トランス・ナショナルカンパニー)が主権を握るような、第3の開国を行おうとしているのでしょうか?

●孫崎氏:
 おっしゃる通りです。今日会った元検事も言ってました。安全保障と経済の分野が合体している。日本でも米国のことが少し見えるようになってきた。

●山崎淑子:
 軍産複合体+コーポラティズムですね。

●市民:
 日本は米国の植民地。何故かというと、日米地位協定と日米安保条約が憲法(98条第二項)の上に来ている。TPP協定も、日米地位協定、日米安保条約と同じく憲法の上となり、日本はアメリカの完全な植民地になると思います。

●山崎淑子:
 日本の最高裁が機能しないのは、砂川裁判・伊達判決でも明らかです。「アメリカの言った通りの判決を出します」と。

●孫崎氏:
 伊達判決に関して、新しい資料が見つかったので、4月4日ぐらいに発表されるらしいです。公文書から発見され、学者が発表するそうですよ。

(一同:楽しみですね!孫崎氏先生、本日はありがとうございました。次の機会も是非よろしくお願いします。)

【以上】

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【転載】動画:孫崎享氏インタビュー@ご自宅 TPP&大西英男議員による「言論封殺」について

「日々担々」資料ブログ

2013.03.31 ( Sun )  00:01:50

http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-8393.html

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◆①孫崎享氏インタビュー@孫崎邸 TPP&大西英男議員による「言論封殺」について2013-03-30

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=9iY8MWl75Us#at=48

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arths2009

公開日: 2013/03/30

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【速報】鳩山由紀夫元首相が「東アジア共同体研究所」を立ち上げ。所長は孫崎享さん。

木星通信 @irakusa

2013年03月30日

http://jupiter-press.doorblog.jp/archives/25153978.html

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【引用開始】

鳩山由紀夫元首相が、「東アジア共同体研究所」立ち上げる事が明かになりました。
すでに事務所は始動している模様。
孫崎享さんが所長に就任。
孫崎さんは「私が積極的に情報発信をしていきたい」と記者の取材に答えました。
対米に追従するだけの日本の政策に新しい情報発信の場になりそうです。

【引用終了】

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P1050665

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