被ばく作業員搬送時 放射線管理要員同行せず 放医研センター長語る

(東京新聞から転載)

☞ http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011041090070830.html?ref=rank

2011年4月10日 07時08分

 東京電力福島第一原発で三月下旬に被ばくした作業員三人が搬送された放射線医学総合研究所(放医研、千葉市)の明石真言(まこと)・緊急被ばく医療研究センター長(56)が本紙のインタビューに応じ、国の防災基本計画で同行が定められている放射線管理要員が、放医研への搬送時に同行していなかったことを明らかにした。

 東電の広報担当者は「(放医研の)医師がいたので同行しなかった」と話している。政府の原子力被災者対策支援チームは、同行を徹底するよう四月六日付で東電に指示した。

 国の防災基本計画では、電力会社などの原子力事業者が被ばくした患者を医療機関に搬送する際、事故や患者の被ばく状況を説明できる専門知識を持ち、汚染拡大防止措置がとれる管理要員を同行させるよう定めている。やむを得ず同行できないときは、同レベルの知識を持つ人の随行が必要とされる。

 三人は三月二十四日に3号機のタービン建屋内で被ばく。いったん福島県立医大病院に搬送され、翌日放医研に運ばれた。東電によると、福島県立医大病院への搬送に管理要員は同行していた。

 明石氏によると、三人のうち二人は作業中に汚染水に漬かり、足に放射性物質が付着。現地で除染が行われたが、放医研に搬送された時にはまだ大量に放射性物質が付いた状態だった。

 放医研の医師が同行していたため、関係者の二次被ばくなどの問題は起きなかったが、明石氏は「搬送する人や受け入れ側(医療機関)の安心を担保するのは事業者の責任。風評や誤解を防ぐためにも(管理要員同行は)重要なこと」と指摘している。

 放医研によると、足に放射性物質が付着した二人は二〇〇〇~三〇〇〇ミリシーベルトの局所被ばくをし、二五〇ミリシーベルト以下の全身被ばくもしていたが、健康状態は良く、特別な治療も必要ない。

◆明石センター長 一問一答

 明石センター長との一問一答は次の通り。

 -作業環境に問題はなかったか。

 「三人は線量計を持っていたが、当時は『全員に行き渡らない』と言っていた。作業空間の線量は毎回測るはずなのに、あの日は測っていなかった。仲間同士で線量が高い場所について情報交換をしていたという。緊急時だからこそ測らないといけないのに。空間線量が測られていたら、ずいぶん安心する。高いと言われたら、不安ですよね」

 -三人は、線量計を持っていたから大丈夫と思っていたのか。

 「いや、そうではない。『おれたちがやらないと、(やる人が)いないんだ』と言っていた。三人には義務感があったと思う」

 -搬送時の対応には問題はなかったか。

 「原子力安全委員会の『緊急被ばく医療のあり方について』でも、放射線管理要員をきちんと救急車に同乗させて病院まで行きなさいと示している。患者の体表面がどのくらい汚染されていて、救急車に汚染が残っていないかを確かめるのは事業者の責任なんです」

 「なのに放医研の医者は乗ってきたが、東電の放射線管理要員は乗ってこなかった。運転者が安心して運転できるよう、事業者が担保してくれないと」

(東京新聞)

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