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◆色平哲郎 (JA長野厚生連佐久総合病院医師)

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もし、薬価制度が「別の項目」で議論されてしまえば薬価を安めに抑えている日本の制度が変更されてしまって、「事実上皆保険が崩壊する」のではないか、という危惧が大いに残っている。

農村というより、”都市近郊の普通の人々の老後”が直撃されるだろう。

・2012/5/22 「市民と政府の意見交換会~TPPを考えよう~」記録から

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日本の農山村でなぜ医師が働いているのか、海外の人には理解できない。地球上のほとんどの地域に医師はいない。

・2012/4/22 「TPPでどうなる医療」の講演録

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◆映画 『医す者として』 (予告篇)

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=7wZqCwkrDug

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IYASUMONO2011 さんが 2011/11/14 にアップロード

映像と証言で綴る農村医療の戦後史 フィルムに刻まれた「歴史」から「未来」をみつめる 農民とともに 若月俊一と佐久病院の60年

佐久総合病院・映画部アーカイブより】

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◆映画 『医す者として』 公式サイト

http://iyasu-mono.com/about/

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【引用開始】

■あらすじ解説  「農民とともに」から「地域住民とともに」へ

長野県佐久市(旧南佐久郡)佐久総合病院。終戦5か月前、信州千曲川沿いにある小さな病院に青年医師・若月俊一(1910~2006)が赴任したことから、この物語は始まる。周辺の農山村への「出張診療」、「全村健康管理」(今でいう健康診断を軸にした健康予防管理活動)を全国に先駆けて行ってきた。また、健康に対する啓蒙活動の一環として取り組んだ「演劇」や「病院まつり」は地域づくりにつながっていく。

【引用終了】

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(『人々の中へ』―晏陽初、1893-1990)

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人々の中へ行き

人々と共に住み

人々を愛し

人々から学びなさい

人々が知っていることから始め

人々が持っているものの上に築きなさい

 

しかし、本当にすぐれた指導者が

仕事をしたときには

その仕事が完成したとき

人々はこう言うでしょう

「我々がこれをやったのだ」と

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◆TPP:T=トンデモない・P=ペテンの・P=プログラム
――国民皆保険制度の危機と恐米病、恐中症状
色平哲郎 (JA長野厚生連佐久総合病院医師)

季刊ピープルズ・プラン 58号掲載

http://irohira.web.fc2.com/d05_TPP_PP.htm

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【引用開始】

◆予防は治療に勝る

「予防は治療に勝る」“Prevention is better than cure.”という言葉をご存知だろうか。

予防すれば、イヤな医師の顔を見ないで済む(?)という、この万人の本音を語ったのは若月俊一博士(一九一〇年‐二〇〇六年)。東大医学部出身で長野県の佐久総合病院を築いた外科医だった。

若月は「予防は治療に勝る」といって、予防してしまったら医師にとってメシの種がなくなるかもしれないような生活改善や環境問題に、敢えて取り組んだ。

 

現在、渋谷で「医(いや)す者として」という映画が上映されている。まだ日本が貧しかった時代、国民皆保険になる前の時代を映している。当時の状況については、私も信州の山村の診療所で十数年間働いていた折に古老からいろいろ聞かされていた。

 

最初はどうしてこうした貧しい地域に出張診療に来てくれるのかと不思議に思い、何を調査しているのかというふうに考えたそうである。歴史を振り返ると、こうしたのどかな山村地域、恵まれない土地柄のところにも病院が成立していたおかげで、国民皆保険制度を施行しても大丈夫な社会的な基盤になっていたわけだ。

・・・略・・・

◆くれぐれも慎重であっていただきたい

・・・略・・・

また別の視点から見ると、TPPは憲法に優越する協定になる可能性がある。国家に優越する製薬業界と保険会社。(?)

報道でも見かけるように、製薬会社が頑張るからよい新しい薬ができてくる。だが、製薬会社が頑張りすぎるのは非常にまずい。

・・・略・・・

『ビッグ・ファーマ 製薬会社の真実』(二〇〇五年)という本をご存じだろうか。

一見、暴露本のように思えるが、筆者のマーシャ・エンジェル(一九三九年‐)

はThe New England Journal of Medicineという世界で最も有名な

医学雑誌の編集長を務めた人だった。

この本が述べていることは、アメリカを中心とする世界の医学会そのものが製薬企業にかなり仕切られているということだ。

少し引用してみよう。

 

(引用開始)

製薬会社は自分たちはリスクの高い産業だというが、製薬企業は年々、他の業種と比べて、はるかに高い利益を上げるようになってきている。

/製薬会社は自分たちは革新的な産業だというが、製薬企業の作っている薬のほんの一部だけが真の意味での新薬であり、ほとんどの薬は既存の薬のバリエーションにすぎない。

/一般に信じられていることとは裏腹に、製薬企業が研究開発にかける金額は、マーケティングにかける金額より遥かに少ない。

/製薬業界は連邦議会やホワイトハウスの首根っこをしっかりと押さえている。

ワシントンに議員の数を凌駕する人数のロビイストを配置する最大の圧力団体であり、数々の選挙運動に資金を供給している。(同書カバー折り返し要約から)

(引用終了)

・・・略・・・

 

若いときに世界中を放浪して気づいたことだが、地球上のほとんどの地域に医師はいない。「無医地帯」だらけ。

同じように東北地方には元々医師が少ない。だからこそ、戦前の東北の人たちはお金を集めて自前で医療機関をつくった。

 

医師を雇うどころか、さらにふんばって医療機関をつくる、そういうチャレンジ精神を戦前の日本人はもっていた。国民皆保険制度のもとになったのは共済である。

・・・略・・・

海外では医師の給料は、郡部と都市で一〇倍の違いがある。

だから、日本の農山村でなぜ医師が働いているのか、海外の人には理解できない。

みなさんは国民皆保険制度を当たり前だと思っているが、仮に給料格差が十倍なら、みんな都会で働くにちがいない。

・・・略・・・

迂闊にアメリカ的な制度を日本に入れると、本当に危うい。

みなさんの期待度が高い分、「これが当たり前だ」と思っている心理的基盤が崩れたときには「いったい誰が崩したんだ!」という、他罰的な気分になることだろう。

・・・略・・・

*本稿は、連続講座「消費者からみたTPP問題」の第四回「TPPでどうなる医療」の講演録に加筆したものである。主催団体は、日本消費者連盟、食の安全・監視市民委員会、遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン、開催日時は、二〇一二年四月二二日(日)であった。

 

(いろひら てつろう/JA長野厚生連・佐久総合病院医師)

【引用終了】

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◆米価は下がり、薬価は上がります
「市民と政府の意見交換会~TPPを考えよう~」記録から抜粋
日 時:2012年5月22日(火)18:20-21:00
場 所:文京シビックセンター 2F 小ホール
参加者:約170名 主 催:市民と政府のTPP意見交換会・東京実行委員会・・・・

http://irohira.web.fc2.com/d03_TPP_again.htm

PDF

http://am-net.org/tpp/120522-TP…pdf

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【引用開始】

 

●色平哲郎(JA長野厚生連佐久総合病院医師):

みなさん、こんにちは、医師の色平です。日本がなにかしら病気なのだとするなら、その診断が確定していないというのに治療をはじめるわけにはいかないと思います。TPP、未だ中身がよくわからないが、「くれぐれも慎重にすべき」と主張しつづけて、1年半が経ちました。

「TPPに参加すると日本の医療が営利産業化する。その結果、国民が受けられる医療に格差が生じる社会になりかねない」と日本の医療団体が先月4月にこぞって反対決議をあげました。

みなさんに申し上げたいのは、みなさんが比較的安心して暮らせる、その担保として国民皆保険制度があること、そしてここが揺さぶられると、農村というより、”都市近郊の普通の人々の老後”が直撃されるだろう、ということです。

・・・略・・・

●色平哲郎(JA長野厚生連佐久総合病院医師):

・・・略・・・

日本政府は、「公的医療保険制度は交渉の対象外」であるとしています。薬価制度に関するアメリカからの規制緩和要求について、現状、ほとんど一般には伝わっていない様子です。2011年10月27日、小宮山洋子厚労大臣は参議院厚生労働委員会で「金融サービス分野のところで保険制度は検討されていまして、そのなかで公的医療保険制度は適用除外で、制度の在り方そのものが議論の対象とはなっていない」と答弁しました。

 

しかし、実際にはその前月の9月12日、アメリカUSTR「医薬品へのアクセスの拡大のためのTPP貿易目標」という文書を公表し、その4日後には外務省を通じて小宮山大臣も入手していたことが、答弁の直後に報道されています。

私が申し上げたいのは、アメリカと韓国が結んだ自由貿易協定の中にも医薬品が取り上げられているということです。米韓FTAで、医薬品の価格を見直す独立機関を設けることは、日本の一市民である私でさえ知っていることです。

これでは、TPPでは「皆保険制度は交渉外」だと言いつのって、保険制度が「金融サービス分

野」で議論されることがなくとも、もし、薬価制度が「別の項目」で議論されてしまえば薬価を安めに抑えている日本の制度が変更されてしまって、「事実上皆保険が崩壊する」のではないか、という危惧が大いに残っていることです。(注:当日配布された政府説明資料3『TPP協定交渉の現状(分野別)』の4ページに、「医薬品関連のルールは、物品の貿易の分野ではなく、(制度的事項の)『透明性』の分野での議論の中で扱われている」と書かれている)

・・・略・・・

【引用終了】

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◆『ヘルプマン!』は孫がおばあちゃん孝行になるお薬です

http://irohira.web.fc2.com/d06_Helpman2.htm

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【引用開始】

・・・略・・・

第8巻はフィリピン人の介護士が日本で悪戦苦闘するお話で、主人公は最後に「おうちが一番。ファミリーが一番」と語ります。

ほとんどがカトリック教徒のフィリピン人は、家族を大事にします。フィリピン人介護士の参入という介護制度の未来像を描きながら、家族の大切さを表現していることに感動し、大勢の人に知ってほしいと思いました。

・・・略・・・

 

佐久病院は、かつて農村の医療提供体制が不十分だった時代に、農民がお金を出しあって作られました。

「予防は治療に勝る」が合い言葉。

「油や塩分を控えないとね」「このところ寒いから暖房を入れたらいいよ」と生活指導を大切にしています。

 

長野県は日本一老人医療費が低いことで有名ですが、要は医者があまり“直接的な医療”をしてはいないということです。

それでも、平均寿命は世界一の日本の中でも長野は首位に近いのですから、医者は余計なことをしないほうがいいのでしょうね。

・・・略・・・

 

本来、病気が治らないときに頼る存在は、医者ではなく僧侶ですよ。

だから時々、袈裟を着て患者さんに会おうか? なんて……(笑)。

 

私は、人間関係を円満に長持ちさせるコツは「AKA=あてにしない、期待しない、あきらめる」だと思っています。

医者に対しても同じで、私の外来では患者さんがドアを開ける前に「色平先生は、あてにしない、期待しない、あきらめる」と10回唱えているという噂もあるくらいです(笑)。

 

総じて医者は、世間で、ぶつかった経験が足りませんから、それでちょうどいいのです。

私は長野にきて、農民たちから多くのことを教わりました。

おじいさん、おばあさんが農作業しながら自給自足の生活をしているのを間近に見たことで、「金持ちより心持ち」というか、医療の主人公は患者さんであることが骨身に沁みました。

 

それを象徴する、一編の詩があるのでご紹介しましょう。

人々の中へ行き

人々と共に住み

人々を愛し

人々から学びなさい

人々が知っていることから始め

人々が持っているものの上に築きなさい

 

しかし、本当にすぐれた指導者が

仕事をしたときには

その仕事が完成したとき

人々はこう言うでしょう

「我々がこれをやったのだ」と

 

(『人々の中へ』―晏陽初、1893-1990)

 

佐久の住民は、自分たちの手で医師を育て、お金をかけなくても

幸せになれることを自然に身につけてきました。

山村で営まれてきた医療には、今後の日本社会が迎える

超高齢化社会へのヒントがたくさんつまっているような気がします。

【引用終了】

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2件のコメント on 製薬業界のための#TPP 【国民皆保険制度の危機】農村というより、”都市近郊の普通の人々の老後”が直撃される。TPPは憲法に優越する協定に。国家に優越する製薬業界。色平哲郎・佐久総合病院医師+映画 『医す者として』(予告篇)

  1. Name より:

    土橋重隆の「平成養生訓-21世紀は治療から予防へ-」 2012年5月30日 医療とTPP(藤原直哉のインターネット放送局)
    http://naoyafujiwara.cocolog-n.....0-eb2.html

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